2020年07月10日

3Dプリントハンドガードの塗装と問題点。


このL85A3はセラコートで有名な鈴友(株)様に施工していただいた物です。ハンドガードはアングリーガンではなく、裸の男爵オリジナルの3Dプリント製品になってます。


今回のお話は新たに、裸の男爵製L85A33Dプリントハンドガードの施工を鈴友(株)様に依頼し、その中で問題になった事をブログでご紹介したいと思います。


裸の男爵としてL85A3ハンドガードやHK417系のハンドガードを、3Dプリントで有名なDMM.makeさんへ発注して作っております。
3Dプリント製品を取り扱っている方々は、家庭用の卓上3Dプリンター(FDM方式)を使って造形している方も多いですが、裸の男爵が作るハンドガード等の大きい造形物は、FDM方式の3Dプリンターでは品質が安定しません。(資金が無いので安い3Dプリンターしか購入出来ない為ですが………( ̄▽ ̄;))

ですので、価格が高くなる事は分かっていても、安定した製品を作ろうと思えばやはり外注になります。(以前は不良芸術品の山でした。)


しかしいくらDMM.makeさんに外注したからといっても、塗装まではしてもらえません。
だから自分で塗装したり、鈴友(株)さんにお願いしたりするのですが、それでも3Dプリント製品特有の表面のザラザラはいかんともしがたく、表面処理だけは自分でどうにかしないと鈴友(株)さんに施工してもう事も出来ません(´ノω;`)

しかも、このハンドガードを作っているナイロン樹脂がとても厄介な奴でして………

まずは下の画像を見てください。



この状態がDMM.makeさんから出来上がってきた状態です。
白い色をしていますが、表面はザラザラ、オーバーな表現でも何でもなく、粗めのヤスリ、グリップの滑り止めテープと言えるほどの状態です。

これをヤスリをかけて平らにしていくのですが、ナイロン樹脂って、ごく一般的なヤスリでは全く削れません……………
なので、自分はナイロン樹脂専用のヤスリを仕入れて表面を加工しております(これが結構高い………)

ちなみにこちらの商品を使わせていただいてます。



3Dプリンター用研磨紙 TuneD3[BASICキット]
https://store.shopping.yahoo.co.jp/systemcreate-pro/tuned3-basic.html
(このヤスリをハンドガード1個につき2枚づつ位使用します)

そして、ナイロン樹脂の表面を研磨して整える訳ですが、ここで更なる苦労が………((T_T))

DMM.makeさんでのナイロン樹脂の造形は、ナイロンの粉末の中でレーザーを当てて、バチバチ高温になった部分が溶けて結合し、形が出来上がってきます(合ってる?(; ̄Д ̄)間違ってたらごめんなさい)
このバチバチが曲者で、一見すると分かりにくいのですが、結合したナイロン樹脂の間には結構な隙間が発生するのです。
少し分かりにくいかも知れませんが、道路のアスファルトのような感じですね。

画像はネットから拾いました、申し訳無いです。

これは、造形の担当者によっては内部充填率の違いで、この隙間が多くなったり少なくなったり、さらに冷却後の変形にも関わって来ます。
しかし内部充填率が100%なんてことはあり得ませんので、この隙間は必ず発生いたします。

それを、出来るだけ平らにするために自分がする事は……

ひたすら削る、削る!
ある程度平らになったら、隙間のデコボコにサフェーサー吹いて、また削る!
またサフェーサー吹いて、削る!
なんども繰り返してやっとこさ塗装をします!

さらにここから見えなかった凹凸が出現してくるのです!


これはL85A3の途中経過です……こんな状態……
((T_T))

さらに削る!
サフェーサー吹く!
削る!

そこまでやってやっと出来上がるのが下の画像です。









まだまだ未熟ですが、何とか見れる位には仕上げる事が出来ました( ;∀;)

さて、ここまでやったとしても所詮は素人の塗装、ゲームで使う事を考えると、やはり耐久性のある塗装にしたいと思います。
そこで真っ先に浮かぶのがセラコートで有名な鈴友(株)さん!

何と!鈴友(株)さんの担当者の方だけではなく、社長様まで直接関わっていただき施工してもらいました!大変ご迷惑をおかけしておりますm(_ _)m

ここで、ナイロン樹脂の施工をしていただく為にはやはり表面の研磨は絶対条件です!

一番上の画像は最初に施工していただいた物で、それはそれは完璧なまでの仕上がりで、感動しておりました!

この時も当然表面の研磨はした状態で、鈴友(株)さんへ送っているのですが、今回の新しい物はさらにご迷惑をかけてはなるまいと、徹底的に研磨しました!
ええ、自分的には徹底的に………自分的には………


そしてコロナウイルスのお陰で鈴友(株)さんも大変な状況の中、施工が完了したとの連絡があり、到着を楽しみに(^ー^)


開封してビックリ(;゚Д゚)ナンジャコリャ!

もちろんアッパー&ロアレシーバーのセラコートは全くもって素晴らしかったのですが、A3ハンドガードがヒドイ状態……



いくら何でもこれはヒドイ………
前回はあんなに素晴らしいハンドガードに仕上がっていたのに!
しかも今回はさらに表面の仕上げは完璧な位ツルツルにしたのに!自分的には!(ここ重要)

早速、鈴友(株)の御担当さまに連絡をすると、確認したいのですぐに送り返して欲しいとの連絡があり、送り返す事に。

まぁ、もしかしてこのコロナウイルスの状況で皆さん手が回らず、急いで施工されたために起こってしまった可能性もあるなと思い、わざわざ社長さんに言わなくでも良いだろうと、何故か上から目線で考えておりましたが、何と社長様から直々にご連絡をいただく事に!( ; ゚Д゚)

そこで、色々とお話を聞いていただ来ましたが、ハンドガードの不良の原因が明らかに………


自分的にはツルツルにしてお渡ししたつもりだったのですが、それはどうやら表面を削った粉が、あのアスファルトのような内部に入って、表面上はツルツルになっていただけのようで………
鈴友(株)さんでは施工前に必ずサンドブラストしてから施工されるのですが、この時に隙間に入った削りかすが吹き飛んで、結果このような事になった模様です………( ̄ロ ̄lll)ガーン



これ、鈴友(株)さんが施工前にサンドブラストしなくてはいけないのは当然の事でして、もちろん非などありません。

裸の男爵が施工して塗装しているハンドガードでは、必ずサフェーサーを何度も吹いているので、ある程度のデコボコは無くなります。

しかし、特殊な方法で施工される鈴友(株)さんへ送るハンドガードにはパテやサフェーサーを吹く訳にはいきません、とりあえず施工できたとしても、その部分から剥がれてしまう可能性があるからです。

何とも悔しい結果ですが、これを鈴友(株)さんの責任にする訳にはいきません。
今回のハンドガードは仕方ないので、そのままにしていただきました(´;ω;`)しょうがない。

3Dプリントの素材にはナイロン以外にもありますが、そのどれもが同じ問題にあたると思われます。

今後施工してもらう為にはこの問題をどのように解決すれば良いのかじっくり考えて見ようと思いました。

鈴友(株)、社長様、ご担当者、大変なお願いを聞いて下さりありがとうございました!(´;ω;`)感謝!


しっかし、最初に施工してもらったL85A3
英軍トレやゲームにも投入しているのに、いまだに端っこも塗装が剥げてない………
樹脂の塗装に独自のノウハウがあると言われていたのは間違いじゃないですよ!












  


Posted by 裸の男爵  at 14:48Comments(2)3Dプリンター